再生医療について

REGENERATIVE MEDICINE

再生医療について

再生医療について

再生医療とは、ヒトが本来持っている「自然治癒力」を高める医療のことです。
たとえば、私たちは風邪をひいたり軽いケガをしても時間がたてば自然に回復します。トカゲは尻尾を切ってもしばらくするとまた尻尾が生えてきます。このように、本来動物には自分のからだを自分で治す力(=自然治癒力)が備わっており、その力を高める治療法が「再生医療」です。

再生医療は私たちのからだにある血液や幹細胞が原料となります。
血液中に含まれる血小板は皮膚や軟骨の修復を促進する作用を、骨髄や脂肪に含まれる間葉系幹細胞は神経や軟骨を再生する作用を持ちます。再生医療は、これまで治すことのできなかった病気を、私たちのからだにある様々な組織を使って治療する方法として世界中で注目を集めています。

富永病院では2016年より間葉系幹細胞を用いた脳卒中の再生医療に携わってきました。
そこで培われた知識と経験にもとづき、2021年から新たにひざ・股関節の再生医療をスタートさせました。
当院の再生医療センターには、これまでの治療法に満足していない患者さんが多く来られます。
『患者さん第一』をモットーに、患者さん一人ひとりのお悩み・ご要望に寄り添った治療を目指します。
まずはお気軽にご相談ください。

変形性関節症をはじめとする関節症に対してのこれまでの治療法は、大きく分けてこれ以上悪くならないことを目的とする”保存療法”と、手術により原因を取り除く”手術療法”の2つしかありませんでした。
再生医療は“保存療法”と“手術療法”の中間にあたる新たな治療法として活用され始めています。
当院の再生医療は、患者さん自身の血液から作られるPRP(多血小板血漿)治療、脂肪から作られるASC(脂肪由来幹細胞)治療を実施しています。どちらもひざ関節や股関節内に注射して、関節の炎症を抑えて痛みをやわらげ、関節の動きを改善する最新の治療法です。また、ASC治療には軟骨を再生させる効果が期待できます。

再生医療

適応部位

適応部位

多血小板血漿(PRP)治療について

PRP:Platelet-Rich-Plasma(多血小板血漿)治療

PRP治療とは、患者さん自身の血液を使った再生医療です。
PRP治療療法には、いくつかの種類があり、種類によって成分や製法が異なります。
当院では、以下の3種類の治療法を実施しています。

  • 患者さんの血液から抽出した有効成分を関節に注射するPRP療法
  • PRPをさらに濃縮し、より多くの有効成分を抽出して注射するAPS療法
  • PRPをさらに濃縮し、有効成分だけを取り出して注射するPFC-FD療法

それぞれ特徴はありますが、いずれの治療法も痛みを抑える効果や関節機能を改善する作用が期待できます。

PRP治療の種類
治療法 PRP療法
(多血小板血漿)
APS療法
(自己タンパク質溶液)
PFC-FD療法
(自己血小板由来成分濃縮物)
区分 第2種再生医療(厚生労働省の認可が必要) 非再生医療
製品 PRP療法 APS療法 PFC-FD療法
特徴 血液を濃縮して得られるPRPが痛みを取り除き、炎症を抑える効果が期待できます PRPをさらに濃縮し、より多くの成長因子抗炎症物質を投与する治療法です PRPをさらに濃縮し、より多くの成長因子を投与する治療法です
費用
(税込)
¥44,000 ¥330,000 ¥165,000
治療に要する期間 1日(外来のみ) 約1ヶ月
(製造期間3週間を含む)
PRP療法

PRP:Platelet Rich Plasma(多血小板血漿)療法
患者さんの血液から抽出した成分を薬にして関節に注射し、痛みや炎症を抑える治療法です。
血液中に含まれる血小板は、成長因子を分泌して免疫を調整し、傷んだ組織を修復する作用をもちます。また、関節の炎症を抑える抗炎症性サイトカインを分泌し関節の炎症を抑え、痛みを抑える効果が期待されています。薬は当院で製造するため、採血したその日に治療(注射)ができます。

APS療法

APS:Autologous Protein Solution(自己タンパク質溶液)
PRPをさらに濃縮し、より多くの成長因子と抗炎症物質を抽出した薬です。
白血球などの細胞成分を残すことで、炎症を抑えるなど様々な治療効果が期待されています。
薬は当院で製造するため、採血したその日に治療(注射)できます。

PFC-FD療法

PFC-FD:Platelet-Derived Factor Concentrate Freeze-Dried(自己血小板由来成分濃縮物)
PRPをさらに濃縮し、より多くの成長因子を抽出したあとに凍結乾燥させた薬です。
細胞成分を取り除くことで注射後の副反応が少ないのが特徴です。
薬は当院と提携している専用の再生医療センターで製造するため、採血から治療(注射)まで1か月程度かかります。

治療の流れ

治療の流れは①採血→②製造→③注射の3ステップです。PRP療法は入院の必要がなく、日帰りの治療となります。製剤にもよりますが、多くは採血から治療まで、当日中に完了します。

再生医療

STEP.1

採血
ご自身の血液を採血

再生医療

STEP.2

加工
遠心分離を行いPRPを抽出

再生医療

STEP.3

注入
関節にPRPを注入

脂肪由来間葉系幹細胞(ASC)治療について※開始しました

ASC:Adipose-derived stromal stem cells(脂肪由来間葉系幹細胞)治療

ASC治療とは患者さん自身の脂肪を使った再生医療です。
この治療法では、患者さんの脂肪から特別な細胞(幹細胞)を取り出します。この細胞は、自分自身を増やしたり、骨や軟骨など他の種類の細胞に変わる能力を持っています。この細胞を傷んでいる部位に注射することで、損傷部分の修復や再生を促します。また、幹細胞から分泌される様々な成分が痛みや炎症をやわらげます。
ASC治療はPRP治療の効果に加えて軟骨を再生する効果が期待できます。

治療の流れ

まず、患者さんのお腹から小指の先くらいの脂肪を取ります。その際、1~2cmくらい皮膚を切開しますが、局所麻酔をしますので痛みはほとんどありません。その脂肪から幹細胞を取り出しておよそ数千~1万倍に増やし、それを関節に注射します。その細胞が関節の中で働いて、傷んだ部分を直します。入院不要で、日帰りで受けられる治療法です。
※細胞が増えるまで、約8週間かかります。

治療の流れ
治療効果
治療効果
治療細胞数 治療費用(税込)
3,000万個 ¥628,000
5,000万個 ¥698,000
1億個 ¥980,000
3,000万個×3 ¥980,000

患者さんの症状、生活スタイル、ご予算に応じて専門スタッフがご説明します。
まずは整形外科外来を受診のうえ、再生医療の適応について医師にご相談ください。
当院では手術や再生医療の経験豊富な医師が診察し、患者さん一人ひとりの症状に応じた最適な治療法をご提案します。
電話で整形外科の診察予約をお取りします。

電話予約はこちら

ひざ・股関節PRP療法の治療実績

ひざ 股関節
2021年8月~12月 16件 5件
2022年1月~12月 153件 22件
2023年1月~12月 215件 33件
2024年1月~6月 113件 15件

治療後のサポート

当院の再生医療を受けられた方に、以下のサポートを行っています。

  • 定期診察
  • リハビリテーション
  • 治療評価シートの作成
  • 治療満足度アンケート
定期診察

治療後2週間~1か月後に受診いただき、治療効果を医師が確認します。再生医療はリハビリテーションを行うことで、相乗効果が期待できます。そのため、診察では富永クリニックでのリハビリや、紹介状の作成など、地域医療と連携したリハビリ計画をご案内します。その後、3か月後、6か月後、12か月後も定期的に診察を実施しています。

リハビリテーション

地下鉄大国町駅から徒歩1分の好立地。広々とした空間で、関節疾患に熟練したセラピストがリハビリを行います。また、富永クリニック以外の施設でもリハビリが可能です。ご希望があればスタッフまでお声がけください。紹介状を作成いたします。

リハビリテーション
治療評価シートの作成 ※2023年6月より開始

医学論文で使用される患者さんの主観的評価方法(KOOS※, JHEQ※) でスコアシートを作成します。治療前後の効果をご自身でご確認いただけます。評価シートは治療後1か月、3か月、6か月、12か月後に実施しています。評価シートはアンケート形式になっており、外来待ち時間に簡単に記入いただけます。
※KOOS;Knee injury Osteoarthritis Outcome Score
※JHEQ;Japanese Orthopaedic Association Hip-Disease Evaluation Questionnaire

治療評価シートの作成
治療満足度アンケート

治療3か月後に富永クリニックでリハビリテーションを受けられている方を対象に、治療満足度アンケートを実施しています。実際に治療を受けられた方のご意見は、治療に悩まれている皆様にとって貴重なお話しです。

治療満足度アンケート
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(日曜祝日年末年始を除く)